友達オーディション
隣で椎名が笑ったから、私も同じように笑った。
そして椎名と同じ光景を見つめる。

英明はとっくに意識を失っているようだけれど、直樹は攻撃を緩めない。
まだ英明の心臓が止まっていないからだ。

人はどこまで暴行すれば心臓が止まるのか、それを見てみたいと思った。
椎名がそれを見たがっているから、私も見てみたいと。

散々英明の顔を殴りつけた直樹がふと手を止めた。
もう自分の体力も限界なのか、大きく全身で呼吸をしている。

その額からはボタボタと汗が流れ落ちてきている。
直樹が英明の胸に顔を近づけて、そしてしかめっ面をした。
ここから見ていてもまだ英明の胸辺りが上下しているのがわかる。
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