友達オーディション
「ちょっと、やめてよ」
校門を出たあたりでようやく頬のほてりがおさまってきた。

「明日も椎名さんと会話できるかなぁ?」
「明日になればきっとみんなも落ち着いてるだろうし、大丈夫なんじゃない?」

私は気のない返事をする。
千佳は頬を膨らませて「適当だなぁ」と不服そうだ。

転校生の人気なんてどうせ長続きはしない。
みんなそんなもんだ。

と、このときの私は思っていたのだった。
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