友達オーディション
ここに来てからもう何人ものクラスメートたちが死んでいるのに、どうして千佳だけ特別なんだろう。
「奈美ちゃん静かに」

椎名にしーと人差し指を立てて言われて私はどうにか口を閉じた。

だけどそんな命令も今はどうでもよかった。
千佳が死んだ。
千佳が殺された。
それだけが頭の中をグルグルと回る。

「さて、残りふたりか。私の友達はひとりでいいと思ってたんだけど、男女セットで友達がいてもいいかもしれないわね」

椎名が腕組みをして私と直樹を交互に見つめた。
「それぞれに友達としての適正があることはわかったし、特別にふたりとも友達にしてあげる」

「え、本当に!?」
直樹が嬉しさの余りその場で飛び跳ねようとした。
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