友達オーディション
直樹の提案はこうだった。
自分たちが使った武器の指紋を拭き取り、椎名の指紋をつける。
クラスメート7人は椎名に呼ばれてここへ来たけれど、すぐに眠らされた。

その間に椎名はひとりひとりを起こして拷問を加えた上で殺害した。
「そんなにうまくいくと思う?」

「大丈夫。これがうまくいけば俺たちは被害者でしかない。罪に問われることはないんだよ」

直樹はどこか自信がありそうだけれど、私は賛同しかねていた。
どれだけ細工をしてみてもきっと警察は見抜いてしまうに違いない。
< 203 / 213 >

この作品をシェア

pagetop