友達オーディション
反撃
椎名が扱っていたスタンガンを手にするとなんとなく不思議な気分になった。
今からこれで椎名を攻撃するのだと考えると余計に不思議な気持ちになってくる。

人を傷つけることなんて嫌なはずなのに、今はそれをしなきゃいけないのだという使命感があった。
「準備はいいか?」

直樹が結束バンドを手に取って聞いてきた。
私はゴクリと唾を飲み込んで頷く。

さっきから廊下を行ったり来たりしている椎名の足音が聞こえてくる。
私達が早く仕事を終わらせないか、ジリジリと待っているようだ。
「よし、行こう」

椎名が教室から離れたタイミングで直樹が教室前方のドアを開けた。
それに続いて私も廊下へと出る。

スタンガンは自分の体の後に隠して持った。
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