友達オーディション
目が覚めた日は個室でゆっくりできていたけれど、翌日からは脳の検査とかなんとか、1日中病院内のあちこちを車椅子で連れ回されるハメになっていた。
「もう一度質問するね? 君は今何歳かな?」
「15歳です。今年、受験生です」
私は医師からの質問に答える。
この質問はすでに3度目だった。
そのたびに医師はなにかをカルテに書き込んでいく。
その様子を両親が不安そうな表情で見つめていた。
「奈美さんは一時的な記憶障害になっているようですね。高校に入学してからのことをなにも覚えていないみたいです」
「思い出せるんでしょうか?」
お父さんの問いかけに医師はにこやかな笑顔で頷いた。
「時間がかかるかもしれませんが、大丈夫ですよ。ゆっくり行きましょう」
私はなにかを忘れているんだろうか?
「もう一度質問するね? 君は今何歳かな?」
「15歳です。今年、受験生です」
私は医師からの質問に答える。
この質問はすでに3度目だった。
そのたびに医師はなにかをカルテに書き込んでいく。
その様子を両親が不安そうな表情で見つめていた。
「奈美さんは一時的な記憶障害になっているようですね。高校に入学してからのことをなにも覚えていないみたいです」
「思い出せるんでしょうか?」
お父さんの問いかけに医師はにこやかな笑顔で頷いた。
「時間がかかるかもしれませんが、大丈夫ですよ。ゆっくり行きましょう」
私はなにかを忘れているんだろうか?