友達オーディション
☆☆☆

昼休憩を終えてなんとなく眠たい空気が教室内を包み込んでいる。
次の授業はよりによって文化祭の出し物についての話し合いの時間だった。

こんな時間にこんな話し合いをしたって、役に立たないのにと思いながら、数学や古典の授業だったら確実に眠っていただろうなと思う。

「じゃあ、今日のこの時間が文化祭についての話し合いをする」
教卓の前に立った先生がみんなへ向けていうけれど、覇気のない声しか返ってこない。

「いつもはクラス委員に司会進行を頼むところだけれど、今日は特別に星沢にやってもらうことになった」

突然椎名の名前が呼ばれて教室内がざわめいた。
椎名へ視線を向けると、本人は事前に教えられていたのか、自然に席を立って教室の前へと移動した。

「転校してきて間もない私ですが、一生懸命がんばります」
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