友達オーディション
喧嘩
「すっごかったよねぇ。椎名のまとめ方!」
千佳はまだ興奮冷めやらぬ様子で熱弁している。

椎名が文化祭の話し合いでクラスをまとめたのは昨日のことだ。
「それよりさぁ、どうして今日約束場所にいなかったの?」

私がふくれっ面をして質問しても、千佳の視線はクラスメートに囲まれている椎名へ向いている。
「千佳、聞いてる? 私ずっと待ってて遅刻しそうになったんだよ!?」

今朝もいつもどおりコンビニで千佳を待っていた。

いつも10分ほど遅刻してくるから最初は気にしていなかったけれど、それが15分20分と長くなっている内に遅刻しそうになり、千佳を置いて学校へやってきたのだ。

ところがA組の教室を開けてみるとすでに千佳は登校してきており、椎名と楽しく会話していたのだ。
その後すぐにホームルームが始まったから文句を言うのが遅れてしまった。

「あ、そっか。約束してたんだっけ」
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