友達オーディション
彼女は口元に柔らかな笑みを浮かべていて、腰まである黒髪は真っ直ぐでクセがなく、天使の輪が見える。
白い肌には透明感があり、歩く時の姿勢はまっすぐだ。

そして彼女が歩いた後には花が咲いたみたいにいい香りがした。
「今日から一緒に勉強することになった星沢椎名さんだ」

先生に促されて彼女星沢椎名は自分の名前を黒板に書いていく。
ショークを持つその指先まで洗練された陶器のような美しさだ。

長い指先が、まるで魔法のように文字を紡いでいく。
「はじめまして。星沢椎名です」

凛と透き通る声はどこまでも遠くに届きそう。
ずっと聞いていたくなる声だ。

「これからよろしくお願いします」
お辞儀をする姿もまるでインプットされたロボットのように美しく、ため息が漏れた。

本当にキレイ……。
この時2年A組の生徒全員が星沢椎名に見とれていたことに間違いはないだろう。
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