友達オーディション
千佳が危険な目に遭うかも知れない。
その可能性は十分にある。

「奈美ってば考えすぎ。この招待状は他のクラスメートたちももらってるんだから、大丈夫だってばぁ」

「それって誰のことかわかってる?」

「ん~、ちゃんとは知らないけど、おおよその予測はつくよ? いつも椎名と一緒にいるメンバーだろうしぃ?」

「それなら、その子たちにも本当に招待状が来てるかどうか確認しようよ」
そう言って立ち上がったとき「勝手なことしないでよ!」と、突然千佳に怒鳴られて動きを止めた。

ふわふわした雰囲気の千佳がこんなに声を荒げたことはない。

千佳は目を吊り上げて私から招待状を奪い取ると「そうやって勝手なことして、私を失格にするつもり?」と詰め寄ってきたのだ。

「そ、そんなつもりじゃ……」
「だったらもうほっといてよ! 余計なことするなら、奈美に言うんじゃなかった」
千佳はそう言うと大股で歩いて行ってしまったのだった。
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