友達オーディション
「あら? 奈美ちゃん?」
椎名が私を見て怪訝な顔つきになる。
「付いてきてもらったの。私、暗いところが苦手だから」

千佳がすぐにかばってくれる。
私は小さく頷いた。
やっぱり、この場ではなんだか場違いな気がして居心地が悪い。

「そう……まぁ、いいけれど。その代わり千佳ちゃんにも友達オーディションに参加してもらおうかな?」

小首を傾げてお願いしてくる椎名に私は唾を飲み込んだ。
ここで拒否すれば、このまま帰らされるかもしれない。
「わかった。参加する」

私が素直に頷くと、椎名は嬉しそうに微笑んだ。
その整った笑顔にまた意味のない寒気を感じて身震いをする。
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