友達オーディション
「それじゃ、今から10分間で問題を解いてください。開始!」
椎名の合図で用紙をひっくり返してみると、数学、国語、歴史の問題が書かれていた。

本当にテストをするみたいだ。
私はエンピツを持って順番に回答していく。
基本的な問題ばかりだから、そんなに難しくはない。

けれど勉強が苦手なしのぶと英明のふたりは苦戦しているようで、ペンが進んでいないのが遠目からでもわかった。

最後の問題を解いた時、ちょうど制限時間の10分が過ぎて椎名のスマホアラームがなり始めた。

「はい、ストップ」
椎名の声と同時に全員がエンピツを机に置く。

「やべぇ。俺、全然できなかった」
英明が青ざめた顔で呟く。
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