友達オーディション

「よーい、スタート！」
椎名がスマホでアラームをかけてスタートの合図を送った。

今回もテストの時同様に１０分間の制限時間だ。
でも、１０分間テストを受けるのと１０分間うさぎ跳びをするのでは随分違う。

運動に慣れていない重人はなかなか前に進むことができず、３歩進んでた立ち止まるを繰り返している。

英明の方はさすがとしか言いようがなく、力強いジャンプを繰り返してあっという間に教室を一周してしまった。

モタモタしている重人を追い越し、更に先へ進む。
重人はあっという間に一周遅れになってしまった。

「が、頑張って！」
邪魔にならない場所で見ていた春美が重人へ声をかける。