友達オーディション
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながらうさぎ跳びを繰り返していると、すぐに汗が滲んできた。

せっかくお風呂に入ったのにシャツが体に張り付いて気持ち悪い。
額に滲んできた汗が頬を流れて落ちていく。

目に入りそうになって拭いたかったけれど、両手で背中で組んでいるからそれもできない。

瞬きしてどうにか目に入らないようにしながら前へと進む。
次第に自分がどうしてこんなに頑張っているのかわからなくなってきた。
私は椎名と仲良くなりたかったんだっけ?

友達オーディションに反対していたんじゃなかったっけ?
慣れない運動に意識がボーッとしてきたとき「残り5分」という声が聞こえてきた。
半分だ。

やっと半分が終わったんだ。
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