貴方が此処に居るから



和也は顔を上げて微笑んだ後、あたし達が座る机に真っ直ぐに近づいてきた。


「…ただいま。」








…あたしやっぱ、和也の笑顔が好きだ。
この笑顔を、出来る限り見ていたい。




仁君が、和也の肩をバシバシ叩いている。
それを見て、楓が笑っている。








…あたしは、仁君が、楓が、そして和也が居る"此処"が好き。

そんな事を考えていたから、和也があたしに話しかけても、全然気付かなかった。





「……………………………………めんね。ありがとう。」


「美綺、聞いてるの?」




楓に肩を叩かれて、我に返った。






.
< 60 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop