不純異性交遊禁止。
み、見られた……!

「黒髪の男とも白い髪の男とも、どっちともキスシーンあるけど、これ、本命はどっちなの?」

キスシーンの挿絵も見られた……!

「意外。雪平のお嬢様って、純文学みたいなのばっかり読んでるんだと思った。こういう、少女漫画っぽい恋愛ものも読むんだな」

「わ、わたしだけです……」

「え? うわ、顔赤いけど、大丈夫?」

指摘されて、自分の頬を両手で包む。
すごく熱い。

「こういう本を読むのは、わたしだけだと思います。他の皆さんは、壱さんの言う通り、文芸書や海外の本を読んだりしています。わたしは、人前では読めないので、ここでいつも読書をしてるんです」

誰にも言えない、知られなかったひみつを知るのが、まさか、関わることを禁じられている人になるなんて。
< 15 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop