不純異性交遊禁止。
☆。.:*・゜制服デート
初めて見た海堂学園の敷地内は、あまりよく覚えていない。
人通りがない場所を知っている壱さんについていくので精一杯で、気がついたら門の外に出ていた。

「よし、行くぞ」

「は、はいっ……!」

壱さんから一歩下がって、同じ道を歩いていく。
学校の外は見慣れているはずなのに、まるで初めて訪れた場所みたい。

「わたし、ここを歩くのは初めてです」

「ああ、雪平の女子は、いつも車で送迎だもんな」

大丈夫でしょうか。
歩いているところを見付かったら、怒られてしまうでしょうか。
だけど、不思議。このドキドキの正体は、恐怖じゃない。

「あの、壱さん、どちらまで行かれるんですか?」

「んー、急にサボんの決めたから、何も考えてなかったな。聖良は?」

「え?」

「聖良の行きたい場所は? だから、ついてきたんだろ?」

「わたしは……」

頭に思い浮かぶのは、小説のワンシーン。
制服デート。
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