不純異性交遊禁止。
「わたしは……、壱さんと一緒に街を歩いてみたいです」

お互い制服を着て、隣同士を笑いながら雑談をして、歩く。
それだけのことが、とても輝いて見えたから。

「そ、そして、できれば、手を……」

手をつないで欲しい。
……なんて、お付き合いもしていない男性にお願いをするのは、はしたないでしょうか。

「手?」

壱さんに聞き返されて、かあっと顔が熱くなる。

「い、いえっ、なんでもないです」

否定をして、顔の前でブンブンと振った手を、壱さんにパシッと取られる。

「手? つなぐ?」

「!!」

も、もうつないでますね……!?
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