華ちゃんとまた花火が見たいよ
花火

 翔は焼香を終えて帰ろうとした、

 華ちゃんのお母さんが形見分けにと小さなクマのぬいぐるみをくれた。

 翔はそれを受け取って車に乗った。

 なにげなく助手席にぬいぐるみを置いた。

 その時、思い出した。

 これはゲーセンで取ったやつ、変質者に絡まれてる中学生を助けて「元気出して」とあげたやつ。

 あの子が華ちゃんだったんだ。どうして気が付かなかったんだ。

 僕は本当に何も気付かなかった。

 翔は涙が止まらなかった。

 サンチョパンサのグアム店が開店した。

 翔は各ブースを見回りした。

 アルコール販売の許可がなかなか下りず、大変だったがすべて間に合った。

 ちょっとしたトラブルもあるが、無事開店したと言えるだろう。

 イベントに日本の花火を打ち上げることにした。

 千五百発。

 頑張った方だ。今は花火も高くなっている。

 ビーチで打ち上げるが、翔はひとりグアム店の屋上でサンドイッチを食べながら見ることにした。

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