華ちゃんとまた花火が見たいよ

 また、目があった。しかも、今少し微笑んだよな。

 小谷翔(こたにしょう)桜井華(さくらいはな)が気になっていた。

 翔は思った。

 バイト中にドキドキしてるってダメだよな。雑貨コーナーの補充をしながら、文具コーナーを見てしまう。

 補充をしている華ちゃんをチラチラ見てしまってる。まだ開店したばかりだから客は少ない。

 華ちゃんは隣のコーナーだから目に入るだけで僕を見てるわけないよな。

 バイトリーダーの翔は、五月に入って来たばかりの大学生に、ドキドキした。

 こんな状態で仕事するなんてダメだと思った。

指導する立場なのに真剣さが足りない。そう思いつつも華ちゃんの事が気になった。

 華ちゃんは大学生というよりまだ高校生って感じだった。背が高い翔からするとかなり小さく見えた。

 翔は大人びた女性が好きだったのに華ちゃんにひかれた。

 二十代後半になって若い子の意味不明な感じにもイラつかず、寛容になっていた。

 世代ギャップはあるものとあきらめがついたのか、おっさん化して、かわいいように見えるのか。

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