妹が私の彼氏候補を連れてきました


○学校・教室


私の名前は佐野 音羽、高校2年生。それなりに満足した学校生活を送り、それなりに満足した人間関係の中過ごしてきた。全てが人並みの普通の高校生。

「音羽、妹ちゃんが呼んでるぞ?」



「光里が?」



教室の入口を見てみるとこちらに手を振っている妹。



「早く行ってやれ」



彼の名前は大平 大輝。茶髪の短めな髪に日焼けした肌、彼こそがいつも私を卑下する例の幼なじみ。野球部に所属しており、色んな大学からスカウトされるほどの実力を持っている。





「本当、光里ってお前みたいなブスとは違って可愛いよな〜愛嬌もあるし。姉妹とは思えないわ」




家が隣同士ということもあり、家族ぐるみで仲良くしているが、こいつは昔から何かあると妹と私を比較してくる。



姉妹だからって勝手に比較され悪く言われて、小さい頃はショックを受けて泣いたりもしたが、この歳になるとある程度冷静になり、ブスという言葉にも慣れてきた。




「ブスで悪かったわね。そんなに光里がいいなら私に話しかけないで」



「はぁ!?俺は別にっ……」



続きを聞く前に光里の元へ。





聞いてあげる義理もない。


< 2 / 142 >

この作品をシェア

pagetop