妹が私の彼氏候補を連れてきました
○学校・教室
私の名前は佐野 音羽、高校2年生。それなりに満足した学校生活を送り、それなりに満足した人間関係の中過ごしてきた。全てが人並みの普通の高校生。
「音羽、妹ちゃんが呼んでるぞ?」
「光里が?」
教室の入口を見てみるとこちらに手を振っている妹。
「早く行ってやれ」
彼の名前は大平 大輝。茶髪の短めな髪に日焼けした肌、彼こそがいつも私を卑下する例の幼なじみ。野球部に所属しており、色んな大学からスカウトされるほどの実力を持っている。
「本当、光里ってお前みたいなブスとは違って可愛いよな〜愛嬌もあるし。姉妹とは思えないわ」
家が隣同士ということもあり、家族ぐるみで仲良くしているが、こいつは昔から何かあると妹と私を比較してくる。
姉妹だからって勝手に比較され悪く言われて、小さい頃はショックを受けて泣いたりもしたが、この歳になるとある程度冷静になり、ブスという言葉にも慣れてきた。
「ブスで悪かったわね。そんなに光里がいいなら私に話しかけないで」
「はぁ!?俺は別にっ……」
続きを聞く前に光里の元へ。
聞いてあげる義理もない。