妹が私の彼氏候補を連れてきました
――大輝side



「おい!音羽っ!!」



名前を呼んでもこちらを振り向かない幼馴染。



「くそっ!」



ガンッ――



近くにあるごみ箱を蹴る。



あいつに彼氏が出来るなんて……ふざけるなっ。




あいつは俺のもんだ。いきなり横から現れた男に取られてたまるか。






彼氏……一応光里に確認するか。



急いで携帯を取り出し、光里に電話する大輝。





「もしもし、光里か?聞きたいことがあるんだけど」



『何?』



「音羽に彼氏が出来たってホントなのか?」



『うん!恋愛経験したことないお姉ちゃんに春が訪れて妹としては嬉しい限りよ』



その場しのぎの関係じゃなくて、本当に彼氏なのか……。



『なんで知ってるの?』

< 53 / 142 >

この作品をシェア

pagetop