妹が私の彼氏候補を連れてきました
「はい。素敵な人ですよ……先輩は」





俺も、彼女の音色に心を癒され奪われた1人だ。





「音羽には君が必要なのかもしれないね」



「…………」




そうであったらいいなって思う。急な成り行きで付き合えることになったけど、こんな風にいつまでも中途半端に付き合っていたくない。




早く先輩に好きになってもらいたい。



「二人ともー!お待たせっ!」



切りのいいところで、三人がこちらへ向かってくる。




「末来屋くん」




「はい」




「音羽をよろしくね」




優しく笑いかけてくれた音羽の父は、どこか安心した様だった。




その笑顔に少し罪悪感を覚えた。

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