妹が私の彼氏候補を連れてきました
私、ちょっと着せられてる感出てない?



更衣室から出ても周りの目線が気になって、ソワソワする。



「ねぇ、なんかお父さんの表情が穏やかに見えるけど……末来屋くんとなにか良いことでもあったのかな?」



「……本当だ。着替え前は眉間に皺が寄る寸前ぐらいだったのにね」



「はい、はい、こんなところで立ち話してないで早く合流するわよ」



「はーい」




先頭を歩く母について行く。




緊張で妹の背後に隠れながら足を進める音羽。



ゴクッ――



固唾を呑み、末来屋くんの前へ。




「音羽、なんで光里の後ろなんかに隠れてるんだ?眩しいのか?」



「あら、違うわよ!女心ってものよ!恥ずかしくて隠れちゃうのよねー?」


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