妹が私の彼氏候補を連れてきました
母はなんでもお見通しだが、それを本人が居る前で口に出さないで欲しい……余計出ずらいじゃないか。



「せーんぱい?」



隠れている私を覗き込むようにひょっこり顔を出す末来屋くん。



「はぁ……お姉ちゃん、暑苦しいから早く離れてよ」



いつもまでも隠れている音羽にため息をつき音羽の背中を押す光里。



トンッ――




「きゃっ!」



軽く背中を押されてただけでも、足元の砂浜のせいで簡単にバランスを崩す。



トスッ――



末来屋の腕の中に綺麗に収まる。



「大丈夫ですか?」



「大丈夫……っごめんね!!重かったよね!!」



肌と肌が重なっていることに気づき恥ずかしくなり、急いで離れようとする音羽。



「…………」

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