妹が私の彼氏候補を連れてきました
――(回想)光里と未来屋の出会い
〇学校・教室
「佐野さん」
「なに?」
「ちょっと話があるんだけど、放課後いい?」
未来屋くんとは入学して以来1回も関わりがないから、もちろん話しかけられたのも初めて。
入学して初日にその容姿から女子からの人気が高く、告白は毎日のように絶えないという噂がある末来屋くん。人というものに興味が無いのか、男女ともに誰に話しかけられても冷たい態度の彼は「氷の王子」とまで言われている。
そんな彼が私に話しかけて来るなんて……まさか……。
「私、告白は受け付けないタイプだけど?」
「告白じゃないから」
あら、私の早とちりだったみたい。
「じゃあよろしく」
噂通り、用事が済んだらそれで終了というなんとも冷たい態度。
一体話したこともない私になんの用なんだろう。