司法書士は看護学生に翻弄される


鍵が壊れた部屋に寝る訳にはいかないだろうから、とホテルを取るように言われた。

しかし林さんは、ホテルに泊まる話の途中から「君はホテル代にキャッシュを使わないだろう」「友達の家に泊まらせてもらうというのも嘘だと思う」と言ってきた。

その通りだ優菜は貴重な現金を宿代になんて使はない。
林さんが宿泊料金を出すと言ったが、そんなに甘える訳にはいかない。鍵が壊れていてもここで寝るしかないと思っていた。


半ば無理やり、林さんは自宅マンションに優菜を連れて来た。

一泊分の荷物を持って僕の家に泊まりなさい。これは、命令です。君の親御さんの残務処理を無料で僕がしたのだから、その時の借りがあるはず。君は借りを返さなければならないから、僕からの命令は絶対です。

なんだかよく分からない理由付けで、家に泊めてもらう事になった。

林さん、お人よしにもほどがある。こんなどこの馬の骨とも分からない女を自宅に入れるなんて馬鹿だ。
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