司法書士は看護学生に翻弄される
ここへ来た時から心は決まっていた。
優菜は愛人契約を持ちかけてくれたキャバクラの客の中西社長にお世話になるしかないと思っている。
半年間だけ我慢すればなんとか道は開かれるだろう。
社長はマンションの部屋をいくつか持っているといっていた。そこに半年間愛人契約をして住まわせてもらおう。
兄にももう関わらないようにする。もし工場が潰れたのならそれはそれで仕方のない事。他の職を探した方が兄の為になるに決まっている。
最初からそうしていれば、兄はこんな事にならなかったはずだ。
お世話になった工場に忠義を果たすって任侠映画でもあるまいし、兄もやはりお人よしなのだろう。
これからは現実を、ちゃんと見てもらわなくてはならない。
妹が身体を売ってまで生きる手段を得ようとしているのだから。