司法書士は看護学生に翻弄される
どれくらい時間が経ったのだろう。林さんは絞ったタオルを温めてそして優菜の下腹部をぬぐってくれていた。
「なんで、言わなかったの?初めてだったよね」
すまなさそうに、彼はそう言った。
「……」
優菜は何も答えなかった。
自分に残されたものはもうこの身体ひとつだけだ。それを使ってこれから何とか生き延びなければならない。
「……僕なんかに……というか、もっとちゃんとしてあげられたのに……ごめんね」
優菜の裸の肩に寒くないように毛布を掛けてくれた。
「……」
この人は幸せな人なんだ。
きっと世の中の汚いものなんて今まで見たこともなければ触ったことすらないんだろう。
「大丈夫、もう、しないから……」
林さんはシャワーを使いたかったらどうぞ。
僕はソファーで寝るから君はここを使ってくれて構わないといって部屋を出ていった。