司法書士は看護学生に翻弄される


「ないはー、ない、ないありえない……」

学校の友達と昼のお弁当を食べている時、少し林さんのことを話してみた。

一緒のベッドで寝るようになって一週間が過ぎる。優菜はあの日から、必ず夜になると林さんのベッドに潜り込み、寄り添って寝ていた。
それはとても安心できて、心地よい時間だった。

「彼氏と二人で一緒の布団で寝てるのに、全く手を出さないなんてありえない」

学校の友達は驚いたように、首をふる。

「その人もしかして何か病気とか持ってるとか?性的に興奮しないとか?いわゆる ED 」

優菜は、苦笑いするしかなかった。

「それか、女として見られていないか、のどちらかじゃない?」

「おん……」

「1回襲っちゃいなよ、あんたを拒否れる男なんてそういないから……これ褒め言葉だから」

結構毒舌で思ったことを何でも口に出してしまう友人は、お世辞や嘘がないので、信用できる。結構ズバッと胸に刺さってしまって凹むけど……

林さんが ED でないことは確認済み。初めての時は優菜から襲ってしまったようなものだったから。けれどその後、そういう関係を拒否されたので、正直もう一度自分から求めることはなかなか難しい。

『したいのか』と言われればよく分からない。『ししないのか』と言われれば『したい』と思う。

優菜は何も言えなかった。あるとすれば女性として見られていないということだろうか。

ただこの一週間、優菜は添い寝するだけで満たされて幸せだった。けれど林さんは一体どう思っていたのか急に不安になってきた。

今日は金曜で林さんは早く帰れると言っていた。明日は休みなので、少しセクシーに攻めてみようかと優菜は昼のお弁当を食べながら考えていた。

「あのさ、おせっかいだったらあれだけど、よかったら教えてあげる。どうすれば相手がその気になるかとか、テクニック。任せてよ!いいサイト知ってるから」

持つべきものは頼りになる友人だ。優菜は教えてもらったサイトを、穴が開くほど何度も見返し、男性が喜ぶプロフェッショナルなやり方を頭に叩き込んだ。









< 33 / 70 >

この作品をシェア

pagetop