『ル・リアン』 ~絆、それは奇跡を生み出す力!~ 【新編集版】
FM放送改革
須尚正
「音楽専門のFM局が日本でも必要です」
本社の専務取締役に就任した須尚は、取締役会で強く訴えた。
アメリカでは、ロック専門局、ジャズ専門局、クラシック専門局、カントリー専門局というように、ジャンルごとに専門化したFM局があり、一日中音楽が流れ続けている。
だから、その時の気分に合わせて、自分の好みに合わせて、好きなチャネルを選ぶことができる。
日本はどうか?
残念ながら、音楽専門チャネルもジャンルごとの専門チャネルもない。
一つのFM局が多様なジャンルの音楽を流している上に、ニュースや天気予報、交通情報などを含めた総合放送局化している。
おまけに、パーソナリティーの喋りが多すぎる。
それも、どうでもいいことを延々と喋り続けている。
音楽2割、喋り8割といったところか。
とにかく、好きなジャンルの音楽に浸れる専門局がない。
これが音楽の普及を妨げる要因の一つになっている。
本来なら多様な年代層に音楽への関心を持ってもらうために音楽専門のFM局が必須で、パーソナリティーの喋りを極力抑えて、音楽比率が8割以上を占める構成にしなければならないのだが、現状はそれに程遠い。
そのことを説明すると、
「わたしも同感です」
と代表取締役社長に就任した轟が強い賛意を示した。
「生活の中に音楽を浸透させるためには、家の中でも車の中でも気軽に音楽が聴ける環境を作り出さなければなりません。そうしなければ音楽業界はこのままずるずると地盤沈下を続けるだけです」
危機感に満ちた目で役員全員を見つめた。
そんな轟の賛意を得て、須尚は更に熱を込めて声を発した。
「アメリカでは6,000を超えるFM局がしのぎを削っています。そういう環境があるので、色々なジャンルの音楽が共存共栄できているのです。ジャンルだけではなく、カテゴリーごとの細分化したFM局も存在しています。例えば、ジャズというジャンルの中に『スムーズ・ジャズ』あるいは『コンテンポラリー・ジャズ』というカテゴリーがありますが、それに特化した専門チャネルまであるのです。そして、その存在が多様な音楽ファンを育てているのです」
「音楽専門のFM局が日本でも必要です」
本社の専務取締役に就任した須尚は、取締役会で強く訴えた。
アメリカでは、ロック専門局、ジャズ専門局、クラシック専門局、カントリー専門局というように、ジャンルごとに専門化したFM局があり、一日中音楽が流れ続けている。
だから、その時の気分に合わせて、自分の好みに合わせて、好きなチャネルを選ぶことができる。
日本はどうか?
残念ながら、音楽専門チャネルもジャンルごとの専門チャネルもない。
一つのFM局が多様なジャンルの音楽を流している上に、ニュースや天気予報、交通情報などを含めた総合放送局化している。
おまけに、パーソナリティーの喋りが多すぎる。
それも、どうでもいいことを延々と喋り続けている。
音楽2割、喋り8割といったところか。
とにかく、好きなジャンルの音楽に浸れる専門局がない。
これが音楽の普及を妨げる要因の一つになっている。
本来なら多様な年代層に音楽への関心を持ってもらうために音楽専門のFM局が必須で、パーソナリティーの喋りを極力抑えて、音楽比率が8割以上を占める構成にしなければならないのだが、現状はそれに程遠い。
そのことを説明すると、
「わたしも同感です」
と代表取締役社長に就任した轟が強い賛意を示した。
「生活の中に音楽を浸透させるためには、家の中でも車の中でも気軽に音楽が聴ける環境を作り出さなければなりません。そうしなければ音楽業界はこのままずるずると地盤沈下を続けるだけです」
危機感に満ちた目で役員全員を見つめた。
そんな轟の賛意を得て、須尚は更に熱を込めて声を発した。
「アメリカでは6,000を超えるFM局がしのぎを削っています。そういう環境があるので、色々なジャンルの音楽が共存共栄できているのです。ジャンルだけではなく、カテゴリーごとの細分化したFM局も存在しています。例えば、ジャズというジャンルの中に『スムーズ・ジャズ』あるいは『コンテンポラリー・ジャズ』というカテゴリーがありますが、それに特化した専門チャネルまであるのです。そして、その存在が多様な音楽ファンを育てているのです」