『ル・リアン』 ~新編集版~
面接当日の朝を迎えた。
天気は良くなかった。
曇り時々雨という予報が出ていた。
大事な日なのに……、
空に向かって恨み言を投げたが、空は機嫌が悪いままどんよりとしていた。
台所に行くと、母親が朝食の支度をしていた。
カツカレーだった。
大の付く好物だった。
それに、縁起を担いでくれたのが嬉しかった。
スプーンですくって口に入れて、
勝つ! 勝つ! 勝つ! と気合を入れながら肉を噛み砕いた。
ご飯と共にカレールーを流し込むとスパイスが効いて胃が覚醒してきて、うっすらと汗が額に浮かんだ。
母親は黙って見ていた。
食べ終わって無言で席を立つと、
「忘れ物が無いようにね。それと、傘を持っていってね」と心配そうな声で念を押された。
天気は良くなかった。
曇り時々雨という予報が出ていた。
大事な日なのに……、
空に向かって恨み言を投げたが、空は機嫌が悪いままどんよりとしていた。
台所に行くと、母親が朝食の支度をしていた。
カツカレーだった。
大の付く好物だった。
それに、縁起を担いでくれたのが嬉しかった。
スプーンですくって口に入れて、
勝つ! 勝つ! 勝つ! と気合を入れながら肉を噛み砕いた。
ご飯と共にカレールーを流し込むとスパイスが効いて胃が覚醒してきて、うっすらと汗が額に浮かんだ。
母親は黙って見ていた。
食べ終わって無言で席を立つと、
「忘れ物が無いようにね。それと、傘を持っていってね」と心配そうな声で念を押された。