『ル・リアン』 ~絆、それは奇跡を生み出す力!~ 【新編集版】
暫く庭園内を散策したあと、見晴らしの良いベンチに座って膝の上に菓子折りを置いた。
ここで食べようか、
何故かそういう気になったので、包みを剥がそうとセロテープに爪をかけた時、
「写真お願いしてもいいですか?」という女性の声が耳に届いた。
「はい、もちろん」
うつむいたまま返事をして顔を上げると、
「あっ」
その女性が驚いた。
こっちはそれ以上に驚いた。
彼女だった。
そこに立っていたのは、トルコライスの店の、あの彼女だった。
長崎くんち見学に来た友達をグラバー園に案内して、そろそろ帰ろうとしていたところだという。
「足は大丈夫ですか?」
あの可愛い顔で心配してくれた。
「はい。もう全然大丈夫です」
昨日の迅速な対応に礼を言った。
そして、「今日、お礼を言うためにお店に伺ったのですが、いらっしゃらなくて……。あっ、そうだ、こんなところでなんですが、良かったら召し上がってください」と、当てが外れて一人で食べようとした菓子折を差し出した。
「あっ、福砂屋のカステラ」
彼女が指差して、女友達を見た。
「あなたに食べてもらいたいと思っていた長崎名物よ」
飛び切りかわいい笑顔になった途端、左頬にえくぼが現れた。
思わず見とれてしまったが、彼女が手に持つカメラに気がついて、建物をバックにしたものと、遠景をバックにしたものの写真を撮った。
それからカステラを食べるためにベンチに座っったが、3人が座るのがやっとだったので横に座った彼女の腕が自分の腕に密着した。
あ~、なんという幸せ。
狭いベンチさん、ありがとう。
グラバーさん、ありがとう。
感謝の塊になった。
ここで食べようか、
何故かそういう気になったので、包みを剥がそうとセロテープに爪をかけた時、
「写真お願いしてもいいですか?」という女性の声が耳に届いた。
「はい、もちろん」
うつむいたまま返事をして顔を上げると、
「あっ」
その女性が驚いた。
こっちはそれ以上に驚いた。
彼女だった。
そこに立っていたのは、トルコライスの店の、あの彼女だった。
長崎くんち見学に来た友達をグラバー園に案内して、そろそろ帰ろうとしていたところだという。
「足は大丈夫ですか?」
あの可愛い顔で心配してくれた。
「はい。もう全然大丈夫です」
昨日の迅速な対応に礼を言った。
そして、「今日、お礼を言うためにお店に伺ったのですが、いらっしゃらなくて……。あっ、そうだ、こんなところでなんですが、良かったら召し上がってください」と、当てが外れて一人で食べようとした菓子折を差し出した。
「あっ、福砂屋のカステラ」
彼女が指差して、女友達を見た。
「あなたに食べてもらいたいと思っていた長崎名物よ」
飛び切りかわいい笑顔になった途端、左頬にえくぼが現れた。
思わず見とれてしまったが、彼女が手に持つカメラに気がついて、建物をバックにしたものと、遠景をバックにしたものの写真を撮った。
それからカステラを食べるためにベンチに座っったが、3人が座るのがやっとだったので横に座った彼女の腕が自分の腕に密着した。
あ~、なんという幸せ。
狭いベンチさん、ありがとう。
グラバーさん、ありがとう。
感謝の塊になった。