貴方と花火を

授業が終わって休み時間になると、教室の後ろの方から声が聞こえてくる。

「えー！？涼平くん大会優勝したのー！？おめでとう！」

「ありがとう、純花ちゃん」

照れくさそうに笑う涼平。

いつの間に、下の名前で呼ぶようになったんだろう。

まぁ、付き合っているなら下の名前で呼ぶのは普通なのか。

でも、私はあの女のことをもう純花ちゃんなんて呼べる自信がない。

ああ、そうだった、確か純花が転校してきてから数日後に一緒に帰っていた時に私が涼平のことが好きなのがバレたんだ。

そしたら純花が「えーw灯ちゃんには勿体無いよぉ！純花がもらってあげる」なんて言ってきたんだ。

それから涼平と純花が付き合っている噂と私に関する噂が流れ始めた。