貴方と花火を
「なるほどねー、変な返事しちゃったから傷つけちゃったかもっ！ってことね」

「ほんっと、健気だわ」

「うるさい」

「でもさ、傷つけちゃったかもってことは涼平くんが灯のことを好きだって自分でも分かってるから思ったんじゃないの？」

「でも涼平には彼女いるし」

「わかんないよ？噂だし」

「私たちの噂だって嘘なんだから、違うかもしんないじゃん」

花織が今まで口にしなかったあの噂のことを言ってまで、私に希望を与えようとしてくれるのか。

「ほんと、私花織が親友でよかった！」

「えーそう？やっぱ私の魅力はすごいからね」

「ははぁ、花織さま〜」

居心地の悪い教室ではできないふざけた会話をする。

やっぱり私は、涼平が私のことを好きだと思っていると心の奥底で願っているのかな。

叶いそうにない想いほど執着してしまうということなのだろう。

決めた。

花火大会で全て打ち明けて、忘れて、吹っ切れて、切り替えよう。

付き合ってもいないのに未練がましい。

何より純花から逃げたい。

自分のことを嫌いな人のせいで自分の行動が決められるのは不愉快だが、いつかは伝えて変わろうと思っていたのだ。

仕方がない。

仕方がないんだよね＿＿＿＿？
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