きみの結婚式。
ヨシュア。

爽やかな俺の名前は
俺の本性をひた隠しにしてきた。

だから。

俺は自分を偽って

自分がどうしたいのかも、わからなかった。



「よしゅあくん、おはよう!」

「よ、し、や」

小児科の勉強ルームにやってきて
美佳がとなりにすわった。

4つ年下の美佳はニット帽をかぶってかみのけがなかった。

「はい、よしゅあくん!」

「よしやだよ〜」

美佳はなにやら手紙をくれた。


おきくなたら およめさんに してください

まわりにはぐちゃぐちゃのハートマークがかかれている。ところどころ、ひらがなが反対向けにかかれている。

「ばかじゃねーの……」

「みかばかじゃない!みかかしこ!!」

そして、美佳はその夜急変して、
帰らぬ人となってしまった。


「ああああああ!
ああああああ!」

僕はつぎの日、点滴をぶち抜いて癇癪を起こしていた。こんなとこ出て行ってやる。ぶっこわしてやる。看護師のばばーも。おじいちゃん先生も。あったかい小児科を俺はぶっ壊して……ぶっ壊して……優しい両親も、影で泣く母さんも。ぶっ壊してしまいたかった。

「よしやくーん、おちついて、おちついて」

「うっせえよ!!」俺はそばにあった花瓶を手で払って、花瓶は大きな音を立てて割れた。


夢を見た。閻魔大王がそこにはいた。

「そなた、生きたいか?」

「何だよお前!お前なんかいなくても生きてやるッ」

「ククク……そなた、復讐のために生きるのか?」

「こんな世界、俺が全部ぶっ壊してやる!」

「ククク……」
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