ツカノマ・サマー

福田さんは激怒するよね?

突然のキャンセルで、きっと色々な人の迷惑になって大変だろうな。

目的を果たしたら、精一杯の誠意を見せて、今まで以上に努力するから。



(だから、会いに行かせてね)




誰に言うでもなく、私は心の中でそう呟いた。












翌日の午前中。

福田さんに連絡した。

ごめんなさいって。

しばらくお仕事休みますって。



そしたら、福田さんは体調を気遣ってくれて、
なんとかスケジュールを調整すると言ってくれた。



罪悪感が重くのしかかってきたけれど。

私は電話を切って。

部屋に鍵をかけ、出かけた。



(三日が限度だな)



三日間で決着をつける。

四日後の午前には福田さんが大事な取材って言っていた仕事が入っているはず。

その取材までには、必ず帰ろう。



マンションを出ると、セミの鳴き声が勢いよく耳に入って来た。

サングラスだけかけて。

私は黒いTシャツにデニムパンツ、スニーカーというラフな恰好で、最寄り駅に向かう。
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