ツカノマ・サマー
「うん! お借りします! ありがとう!!」
受け取り、嬉しさが抑えられず。
ついつい、
「泊まってもいいってことだよね?」
と、言ってしまった。
「えっ?」
「真夏くん、私のことをこの部屋においてくれるつもりだったんだ〜」
真夏くんは「えっ」と、もう一度呟いて、
「いや、もうそういうことに決まっているのかと思って……」
と、赤面した。
その表情が可愛くて、愛おしくて、ほんの少し申し訳ない気持ちもあって。
「ごめん」
と、呟いた。
「何が『ごめん』?」
「……私だけ舞い上がってて、ごめん、ね?」
すると真夏くんは、
「すみれちゃんだけじゃないよ」
と、真っ赤な顔をして笑った。
「えっ? どういうこ……」
「あっ! でも、どうしよう」
と、真夏くんが私の言葉に被せて話した。
「何?」
「考えてなかった。……オレ、今日、どこに泊まろう?」