ツカノマ・サマー

(あぁ、好きだなぁ)



真夏くん。

大好きだよ。



この気持ちは、私のものだけど。

真夏くんのものにもしてほしい。

ふたりの大切な気持ちになれば、もっと、ずっといいのに。



「……すみれちゃんにこんなことしていたら、日本中のファンの人に怒られるね」
と、真夏くんが私から体を離した。



(えっ、なんで!?)



もっと抱きしめていてほしかったのに。



「ごめんね、急にこんな……」
と、真夏くんがだんだん顔を赤らめていく。



「真夏くん、今更照れてるの?」



私がそう聞くと、
「て、照れてないよ!?」
と、真夏くんの声がひっくり返って。



口元をおさえて真っ赤になった真夏くんが愛おしかった。



「……まあ、あきらも怒るよね」
と、冗談で言ってみると。



「そうだ、多分、いや絶対に、すっごく怒られるね」
と、真夏くんが笑う。



「あきらって、どんな人?」
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