ツカノマ・サマー
「幼馴染みで、昔から仲良くしてくれているんだ」
「えっ、そんなことちっとも私に教えてくれなかったじゃん」
(あきらって……)
真夏くんのことが好きそうなんだよなぁ。
こんな朝早くに、友達とはいえ男の人の部屋に訪ねてくることも。
真夏くんに対する話し方や態度も。
自分が真夏くんの特別な女の子になりたいって思っていることが。
なんだか伝わるんだよね……。
(真夏くん本人は、気づいていなさそうだけど)
「私には何でも話してくれていると思ってたのに……」
そう言ったあきらは、私に視線を移し、
「私、堂元 あきらです。真夏とは大学で一緒で、仲良くしています」
と、クールに笑った。
「高野 すみれです」
「知っています。何なら、推してますから」
「ありがとうございます」
あきらは冷たい目で私を見て、
「でも、お仕事とかいいんですか?」
と、スマートフォンを操作した。