ツカノマ・サマー

仕事をドタキャンしたこと。

色々な人に迷惑をかけていること。

何より、福田さんに心配させていること。



全部、心の中でぐるぐる不安と一緒に渦巻いていて。

後悔する気持ちだって、本当はあるけれど。



……私。

目の前にいる、この人じゃないと嫌なんだもん。



世の中が。

私に甘い言葉をくれていたとしても。



私にはたったひとり。

真夏くんだけでいい。



真夏くんだけに、甘くて、優しい言葉をもらえたら。

ずっとずっと、頑張れるんだよ。






「真夏くん」

「何?」



「あきらと嫌な雰囲気にさせて、ごめんね」



私がそう言うと、真夏くんはにっこり笑って、
「大丈夫だよ」
と、言ってくれた。




何よりも安心する『大丈夫』な気がした。





















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