ツカノマ・サマー

真夏くんは嬉しそうに目を細めた。



「なんかオレ、嬉しかったんだ。植物といっても、大切な一緒に暮らしている仲間だから」



そう言った真夏くんは、
「すみれちゃんにはそれが伝わっているんだなって思うと、ちょっと感動した」
と、私に優しく微笑んだ。



当たり前じゃん。

伝わっているよ。

だって、真夏くん。

私、真夏くんのことが本当に好きなんだもん。






「今朝話していたコロッケ、買いに行こうと思うんだけど、すみれちゃんはどうする?」

「えっ?」

「ちょっと外の空気を吸いに行く?」



いいの?

真夏くんの、迷惑にならない?



(誰かにバレたら、真夏くんにだって迷惑かけちゃうよ)



「行きたい……って言ったら、真夏くん、困る?」

「えっ? なんで? 全然困らないよ」
と、真夏くんが言って、
「コロッケ、結構種類があるんだよ。すみれちゃんが好きなやつがあるといいんだけど」
なんて、ニコニコしている。
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