ツカノマ・サマー
それって、つまり!!
(告白するってことじゃん!!)
キスのことばかり考えていて、他のことはあんまり考えていなかった。
でも、大切なはじめてのキスは。
きっと素敵なキスにしたいから。
(告白しなくちゃ)
でも。
それで振られたら、真夏くんとはキス出来ない……?
「すみれちゃん、おーい……?」
真夏くんが苦笑いしてこっちを見ているのに気づいて、ハッと我に帰る。
「あっ! ごめん!! ちょっと重大な自分会議してた!」
「自分会議?」
「いや、まぁ、それはいいんだけど」
まさかキスが出来るかどうか、告白をするかどうかを考えていたなんて、知られたくない。
どう誤魔化そうと焦っていたら。
「あのぉ、もしかして……」
と、男女五人組が近づいてきた。
(あっ)
なんか、ヤバイ。
直感で、この人達とは関わらないほうがいいと思った。
だけど、もう遅くて。
「あなた、高野 すみれですよね?」
「!!」