ツカノマ・サマー

真夏くんと話していると、心が軽くなる。



(ありがとう、真夏くん)



ずっとひとりで抱えていた不安が。

全部なくなったわけじゃないけれど。

真夏くんが半分、持っていってくれた。



肩が軽くなって。

自然と笑顔が増えた気がする。







ずっとおしゃべりしているつもりだったけれど。

いつの間にか、うとうとしていたみたい。

気づいたら布団もかけずに、ベッドに横になっていた。



寝返りをうつと。

真夏くんの背中にちょっとだけぶつかった。



(真夏くんも眠ってた?)



すぅすぅと、規則正しい寝息が聞こえる。



(可愛い)



ねぇ、真夏くん。

私のこと、どう思っている?



真夏くんの背中にそっと抱きついた。

同じボディーソープの香りが、ふわっと鼻先をくすぐる。



「そばにいてくれるんだよね?」



小さな声で呟いた。




「恋人として、そばにいてほしいよ」




真夏くんは相変わらず規則正しい寝息で。

もちろん返事なんかしてくれない。














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