ツカノマ・サマー
3日目

拒否とケンカ


朝、起きると。

目の前に真夏くんの顔があった。



(えっ?)



……そうだった。

昨夜はベッドでおしゃべりしていて。

いつの間にかふたりとも眠っちゃったんだった。



真夏くんの頬を指先で撫でる。



「ん……?」



真夏くんが目を開けて、ぼんやりした瞳で私を見つめた。



「おはよ」
と、声をかけると、
「…………」
返事がなかった。



数秒経って。

真夏くんが目を見開き、上体を勢いよく起こす。



「えっ!? えっ、えっ!?」



慌てているので、
「昨日はおしゃべりしつつ、ふたりとも寝ちゃったんだよ」
と、説明する。



真夏くんはまだ慌てた様子で、とりあえずベッドからおりて。



「ごめんなさい」
と、何故か頭を下げた。



「えっ? 何が?」

「すみれちゃん、絶対に嫌な気持ちになったよね? 心から反省しています……」

「……真夏くん、あのね」
と、私はベッドの上で上体を起こし腕を組み、眉間にシワを寄せた。
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