子犬系男子は待てを知らない


「これからよろしくね!」

「うん」


なんか、思ったよりいい子なのかも……。


少し安堵に似た感覚を覚えた、のも束の間だった。


「それじゃあ行きましょ、諒」

「うん。……よかったら璃子ちゃんも一緒に──」

「だーめっ」


……え?

遮るように言った桃園さんは、そのまま──。


「……っ!?」


ぎゅーっと、雪平くんの腕に抱きついた。

びっくりしてあたしは目を丸くする。


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