子犬系男子は待てを知らない
……そう。
結局、あたしの尾行でわかったことは何一つなかったけれど。
誰がどう見ても、桃園さんが雪平くんに特別な感情を抱いてることだけは確かだったわけで。
「取られちゃっていーわけ?」
「っ、それは……」
ふと、桃園さんと仲良く腕を組む雪平くんの姿が頭に浮かんだ。
……なんだろう、この気持ち。
なんか胸の辺りがもやっとする。
あたしには他の人とくっつくなーとか言ってきたくせに。
自分は桃園さんと……。
──って!