子犬系男子は待てを知らない


……はっ!


「あはは……は」


思いのほか大声が出たせいで、みんなの視線をかっさらってしまった。

もう、最悪すぎる。

いたたまれない気持ちに苛まれながら、火照った頬に手を当てる。


何ムキになってるんだろ。

これじゃあまるで、ほんとにそうみたいじゃない……。


「へぇ。こりゃあ……」


ん?

独り言のように落とされた旭の言葉が聞き取れなくて。


「ごめん、さっきなんて──」


そう聞き返そうとしたけれど、続きは喉の奥にすっと引っ込んでいった。



「え……っ?」


突然、誰かに腕を掴まれた。

かと思った刹那、グイッと後ろに引っ張られ──。


──ドキッ。


見上げるように振り返ったその瞬間、心臓が大きく揺れた。

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