子犬系男子は待てを知らない
🍓感じる熱は隠せない
*
甘くて、酸っぱくて、可愛いくて。
そんな苺が、あたしは小さい頃から大好きだった。
***
「渡辺」
「はーい」
珍しく引き締まった空気のHR。
そんな中、先生に呼ばれた後ろ姿を見て、ドキドキと心臓を鳴らした。
だって次は、
「藍原」
「はい!」
あたしの番だから。
うわ〜、怖いなぁ。
先生から受け取った紙──採点済みのテスト用紙を手に、緊張する。
にしても心臓に悪いよね。一気に全教科渡されるなんて、今知った。
中学の時は、そんなことなかったのに。
あたしは心の中で不満を唱えながらもよしっと気合いをいれる。
そして、折りたたんで見えなくなっていた部分を一気に開いた。
結果は⋯⋯。