子犬系男子は待てを知らない
「やった!」
赤点回避!
ちょっと自信あったのよね〜。
なんてふふんと喜んだ、そんな矢先。
「藍原、それで満足してるようじゃ成績も伸びんぞ」
あたしのハートを打ち砕く一撃が放たれた。
──そうしていつの間にか帰りの挨拶も終わり、今やもう放課後。
「じゃあまた明日〜」
「部活行こー」
教室に集まっていた生徒たちが、各々に動き出した。
あたしはいつもなら愛花と帰るはずだけど、今日は例外。
なんか歯医者に行くみたいで、お迎えの車が外で待ってるらしい。
ってことで、掃除当番を終わらせたあとは寂しく一人だ。